充分な平屋を建てるには土地何坪必要?間取りと土地の広さの関係を解説
平屋を建てたいけれど「何坪の土地が必要?」と悩む方は多いのではないでしょうか。
家族構成やライフスタイルによって必要な広さは変わり、さらに建ぺい率などの制限も考慮しなければなりません。この記事では、平屋に必要な土地の坪数を家族構成別に解説し、福岡で広い土地が確保しやすいエリアもご紹介します。
1. 家族構成別に見る平屋の適切な延床面積
平屋を建てる際、まず考えるべきは「どのくらいの広さが必要か」という点です。
国土交通省が定める基準を参考にしながら、家族構成に合わせた適切な延床面積を見ていきましょう。
国の基準で考える必要な広さ
国土交通省の「住生活基本計画における居住面積水準」では、豊かで快適な暮らしを送るための住宅面積の目安が示されています。
この基準には「誘導居住面積水準」と「最低居住面積水準」の2つがあります。(※1)
誘導居住面積水準は、多様なライフスタイルを想定した広さの基準です。
一般型(郊外や都市部以外の戸建住宅を想定)
・単身者:55㎡(約16.6坪)
・2人以上の世帯:25㎡×世帯人数+25㎡
都市居住型(都心とその周辺での共同住宅を想定)
・単身者:40㎡(約12.1坪)
・2人以上の世帯:20㎡×世帯人数+15㎡
福岡で平屋を建てる場合、一般型を参考にするのが適切でしょう。
この基準に基づいて計算すると、家族構成別の延床面積の目安は次のようになります。
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家族人数 |
一般型の延床面積 |
坪数換算 |
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2人 |
75㎡ |
約23坪 |
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3人 |
100㎡ |
約30坪 |
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4人 |
125㎡ |
約38坪 |
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5人 |
150㎡ |
約45坪 |
たとえば4人家族なら、約38坪の延床面積が快適に暮らせる目安となります。
一方、最低居住面積水準は、健康的で文化的な生活を送る上で最低限必要とされる面積です。
・単身者:25㎡(約7.6坪)
・2人以上の世帯:10㎡×世帯人数+10㎡
この基準を下回ると、日常生活の快適性が損なわれる可能性があります。
4人家族の場合、最低でも50㎡(約15坪)は確保したいところです。ただし、これはあくまで「最低限」の広さですので、誘導居住面積水準を目指すのがおすすめです。
※1 参考:国土交通省|住生活基本計画(全国計画)
暮らし方で変わる必要な広さ
国の基準は目安として有効ですが、実際に必要な広さは家族の暮らし方によって変わります。
たとえば、リビングで家族が集まって過ごす時間を大切にしたいなら、LDKを広めに確保したいところです。
また、在宅ワークをする方が増えている今、書斎スペースやワークスペースの確保も考慮すべきポイントです。独立した部屋を設けるのか、リビングの一角にヌックのようなスペースをつくるのかによっても、必要な広さは変わってきます。
収納の考え方も重要です。ウォークインクローゼットや納戸、シューズクロークなど、十分な収納スペースを確保すれば、居住スペースをすっきりと保てます。平屋の場合、2階がない分、1階に収納をしっかり計画する必要があります。
将来の家族構成の変化も視野に入れましょう。子どもが小さいうちは個室が不要でも、成長とともに必要になります。逆に、子どもが独立した後のことも考えると、間仕切りで部屋を分けられる設計にしておくなどの工夫も有効です。
2. 平屋を建てるために知っておくべき「建ぺい率」と「容積率」

ここで重要になるのが「建ぺい率」と「容積率」です。
建ぺい率とは
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合のことです。簡単に言えば、「その土地にどのくらいの大きさの建物を建てられるか」を示す数値です。
建ぺい率(%)=建築面積÷敷地面積×100
建築面積とは、建物を真上から見たときの面積のことです。平屋の場合、1階部分の面積がそのまま建築面積になります。
建ぺい率は、都市計画法によって定められた用途地域ごとに30%〜80%の範囲で設定されています。これは、日当たりや風通しを確保し、火災時の延焼リスクを減らすために定められた制限です。
たとえば、建ぺい率50%の土地で40坪(約132㎡)の平屋を建てたい場合、必要な土地面積は次のように計算できます。
40坪÷0.5=80坪(約264㎡)
つまり、約80坪の土地が必要になるということです。
容積率とは
容積率(%)=延床面積÷敷地面積×100
平屋の場合、1階しかないため、基本的には建ぺい率の方が重要になります。ただし、ロフトや小屋裏収納を設ける場合、条件によっては延床面積に算入されることがあるため、容積率も確認しておきましょう。
また、将来的に増築を考えている場合や、1.5階建てのような設計を検討している場合は、容積率も重要な判断材料になります。
建ぺい率から必要な土地面積を計算する
それでは、実際に平屋を建てる場合に必要な土地面積を、建ぺい率別に見ていきましょう。
30坪(約100㎡)の平屋に必要な土地面積
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建ぺい率 |
必要な土地面積 |
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30% |
約100坪 |
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40% |
約75坪 |
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50% |
約60坪 |
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60% |
約50坪 |
40坪(約132㎡)の平屋に必要な土地面積
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建ぺい率 |
必要な土地面積 |
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30% |
約133坪 |
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40% |
約100坪 |
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50% |
約80坪 |
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60% |
約67坪 |
50坪(約165㎡)の平屋に必要な土地面積
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建ぺい率 |
必要な土地面積 |
|
30% |
約167坪 |
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40% |
約125坪 |
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50% |
約100坪 |
|
60% |
約83坪 |
ただし、これらはあくまで建物部分に必要な土地面積です。
実際には、玄関アプローチや庭、駐車場スペースも必要です。
一般的な駐車場1台分のスペースは、幅2.5m×奥行き5m=12.5㎡(約3.8坪)程度です。2台分なら約8坪を見込んでおきましょう。
また、玄関アプローチや庭のスペースとして、さらに10〜20坪程度を確保できると、ゆとりのある外構計画が可能になります。
たとえば4人家族で40坪の平屋を建て、駐車場2台分と庭を確保したい場合、建ぺい率50%の土地なら、80坪+駐車場8坪+庭15坪=103坪程度の土地があると理想的です。
3. 福岡で広い土地が確保しやすいおすすめエリア
平屋を建てるためには、ある程度広い土地が必要だとわかりました。
では、福岡県内でそうした土地を見つけやすいのはどのエリアでしょうか。既存記事「【住環境と選び方】福岡の土地おすすめエリア5選」で紹介したエリアの中から、平屋に適した場所をご紹介します。
自然豊かで土地価格も手頃な「福津市・宗像市」
福岡市の北東部に位置する福津市と宗像市は、平屋を建てるのに理想的なエリアです。
福津市は福岡市のベッドタウンとして発展しており、海や山に囲まれた自然環境が魅力です。JR鹿児島本線の福間駅や東福間駅を利用すれば、博多駅まで約30分とアクセスも良好です。土地価格は坪単価15〜25万円程度と、福岡市内に比べて手頃な価格で広い土地を確保できます。
宗像市も同様に自然環境が豊かで、全国住み続けたい街ランキングで1位に選ばれるほど住環境が評価されています。教育環境も充実しており、子育て世代にも人気のエリアです。
利便性と広さのバランスが良い「糟屋郡エリア」
福岡市の東側に隣接する糟屋郡(新宮町、粕屋町、志免町など)も、平屋を建てる土地探しにおすすめのエリアです。
特に新宮町は、福岡県内で最も人口増加率が高い自治体として注目されています。JR新宮中央駅の開業により、駅前にはIKEA福岡新宮やショッピングモールが立地し、生活利便性が大きく向上しました。それでいて土地価格は坪単価20〜40万円程度と、福岡市内より手頃です。
粕屋町や志免町も、福岡市へのアクセスが良く、スーパーや医療施設など生活に必要な施設が充実しています。建ぺい率50〜60%のエリアが多く、80〜100坪程度の土地でも比較的見つけやすいため、ゆとりのある平屋を計画できます。
これから注目の「那珂川市・筑紫野市」
福岡市の南側に位置する那珂川市と筑紫野市は、今後の発展が期待できる注目エリアです。
那珂川市は2018年に市制施行されたばかりの新しい市で、自然環境が豊かなのが特徴です。福岡市南区に隣接しているため、都心部へのアクセスも良好で、西鉄天神大牟田線や国道385号線を利用できます。
筑紫野市は、西鉄天神大牟田線とJR鹿児島本線の2路線が利用でき、交通利便性に優れています。プラスリッコでは筑紫野市にも分譲地を展開しており、土地価格は坪単価20〜45万円程度と、福岡市内と比べると手の届きやすい価格帯です。
これらのエリアでは、新しい住宅地の開発も進んでおり、広い区画の分譲地が見つかりやすいのも魅力です。建ぺい率50%前後の土地が多く、4人家族が快適に暮らせる40坪程度の平屋を建てるなら、80〜100坪の土地を探すのが現実的でしょう。
4. 限られた土地で理想の平屋を実現するコツ
中庭を活用したコの字・ロの字型の間取り
プラスリッコが得意とするのが、中庭を中心に据えた平屋の設計です。建物をコの字型やロの字型に配置することで、限られた敷地でも開放感と採光を確保できます。
中庭があることで、各部屋に光と風が届き、外からの視線を気にせずプライベートな屋外空間を楽しめます。たとえば、60坪程度の土地でも、中庭を囲むように建物を配置すれば、30坪程度の平屋で十分な広がりを感じられる住まいが実現します。
「アトリエ博多」のモデルハウスでは、中庭とつながる堀床リビングや、中庭に面したウッドデッキなど、中庭を暮らしの中心に据えた設計をご覧いただけます。
1.5階建てという選択肢
どうしても平屋に必要な部屋数を確保できない場合は、1.5階建てという選択肢もあります。
ロフトや小屋裏収納を活用すれば、延床面積を増やすことができます。天井高1.4m以下で、下階の床面積の2分の1以下という条件を満たせば、延床面積に算入されないため、建ぺい率や容積率の制限を受けずに収納や趣味のスペースを確保できます。
また、スキップフロアを取り入れることで、限られた敷地でも空間に変化をつけ、視覚的な広がりを生み出せます。プラスリッコでは、それぞれのご家族のライフスタイルに合わせて、最適な空間活用をご提案しています。
土地の形状を活かした設計
変形地や旗竿地など、一見使いにくそうな土地でも、設計の工夫で魅力的な平屋を建てられます。
たとえば、細長い敷地なら、建物を細長く配置し、中庭を挟んでプライベートゾーンとパブリックゾーンを分ける設計が有効です。旗竿地なら、奥まった位置を活かしてプライバシー性の高い静かな住まいをつくれます。
土地の形状や周辺環境を活かした設計は、建築の専門家に相談するのが一番です。プラスリッコでは、土地探しの段階からお客様に寄り添い、その土地の特性を最大限に活かしたプランをご提案しています。
5. まとめ
平屋を建てるために必要な土地の広さは、家族構成や暮らし方、そして建ぺい率によって変わります。4人家族なら延床面積約38坪が目安で、建ぺい率50%の土地なら80坪程度、駐車場や庭を含めると100坪前後の土地があると理想的です。
福岡県内では、福津市・宗像市、糟屋郡、那珂川市・筑紫野市といったエリアで、比較的広い土地を手頃な価格で見つけられます。これらのエリアは、自然環境と利便性のバランスが良く、平屋での暮らしに適しています。
また、限られた土地でも、中庭を活用したコの字・ロの字型の間取りや、1.5階建ての設計で、開放的で快適な平屋を実現できます。
プラスリッコでは、土地探しから設計、施工まで、平屋づくりをトータルでサポートしています。福岡県内に複数の分譲地を展開しており、実際の暮らしを体感できるモデルハウスもご用意しています。
「アトリエ博多」では、中庭を中心に据えた平屋の魅力を存分に感じていただけます。
土地探しから平屋づくりまで、お気軽にご相談ください。




